四国新聞が、全盲のハンディを負いながら、ピアノの弾き語りで老人ホームへの慰問を行っている歌手のことを報じている。香川県さぬき市寒川町に住むポール池尻さん(73)だ。慰問は月3回以上を欠かさず、障害を感じさせない元気な歌声で、高齢者らに勇気を与え続けているというからすばらしい。60歳から緑内障を患い、70歳で全盲になり、それ以降の戦いとのこと。人柄、経歴、現状などがつぶさに綴られているので、同記事より要点を転載する。
池尻さんは丸亀市生まれ。音楽好きだった父の影響で幼いころから声楽に親しみ、18歳で「第3回コロムビア全国歌謡コンクール」に香川県代表として出場。その後、東京の大手レコード会社の音楽学校に通いながら、有名歌手の前座を務めたり高級クラブのステージで歌った。
地元に戻ってからも、ピアノやウクレレを独学で覚えたり、カラオケ教室を開くなど地道な活動を続けてきたが、60歳から緑内障を患い、70歳で全盲に。
しかし、これまで「自分の人生そのもの」(池尻さん)だった音楽を捨てることはできなかった。
「自分も音楽に助けられ、障害と向き合うことができた。今度は他の人を自分の音楽で癒やしたい」。
それまで培った指の感覚だけを頼りに、2005年からさぬき市を中心に老人ホームなどで弾き語り慰問コンサートを開始。3年間にわたる慰問回数は350回を超える。
レパートリーは、歌謡曲から童謡、ジャズ、シャンソンと幅広く、曲数は300以上にも上るという。 【中略】
今年2月から、自身も養護老人ホームに入所した。施設での生活を通じて入所者の孤独などが痛いほど分かり、演奏にも一層力が入るようになったという。【中略】
「指が動かなくなり、声が出なくなるまで続けたい。僕の歌で一人でも多くの人を勇気づけることが、自分を支えてくれた音楽への恩返しになるから」と、熱く語っている。
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